「秋古馬三冠という言葉を初めて聞いたのですが、どのレースのことを言うのか?また、どの馬が達成したのかな?」
競馬には「三冠レース」と呼ばれるものがいくつも存在しますが、競馬の歴史上で2頭しか達成したことがない秋古馬三冠とは何なのか、競馬ファンとしてとても気になりますよね。
- 秋古馬三冠とはなにか?
- 秋古馬三冠を達成した馬はどんな馬か?
- 競馬には、他にどんな三冠レースがあるのか?
このようなことが、たくさん気になるのではないでしょうか。
というわけで今回は、秋古馬三冠について知りたい方へ「秋古馬三冠の徹底解説と達成した馬の実績」について詳しくご紹介していきます。
秋古馬三冠の詳しい内容はもちろん、なぜ達成が難しいかというポイントもかなり参考になります。
さらに、秋古馬三冠以外にも近年新設された競馬の三冠レースについて取り上げていますので、是非チェックしてみてくださいね!
目次
秋古馬三冠とは?ボーナスとは?秋古馬三冠の各レースも徹底解説!

「秋古馬三冠のことを知りたいんだけど、どんな内容なのかな?」
結論から言うと秋古馬三冠とは、天皇賞・秋、ジャパンカップ、有馬記念の秋に行われる古馬G1、3レースのことを言います。
競馬を長年やられていても秋古馬三冠という言葉を初めて聞いた、という方も多くいますよね。
というのも、秋古馬三冠は2000年につくられた総称だからです。
ですので、初めて聞いた方にも分かるように創設された経緯や達成ボーナスについて詳しくご紹介していきますね!
秋古馬三冠は、なぜ創設されたのか
まず、なぜ2020年に秋古馬三冠は創設されたのでしょう。
それは、秋に行われるG1レースすべてに出走する実力馬が、以前より少なくなってきたからです。
では、なぜ出走する実力馬が減ってきたのか。
なぜなら、近年は出走するレースを抑える傾向にあることと、また海外競馬など選択できるレースが増えたことが要因です。
近年は、故障をさせないために馬に無理をさせないこと、また適正でないレースを使わないことば競馬の常識となっています。
例えば、3歳クラシックレースの菊花賞の場合でも、実績馬であったとしても3000mという距離適性がない、と陣営が判断すると出走させないことも多々あります。
疲労やタフなスケジュールの為、調整の難しさや故障の可能性もあるからです。
ひと昔前まではG1レースが少ないこともあって、G1なら無理をさせてでも出走させたい、という傾向があったのですが、今は本調子でないと出走させないという流れもあります。
また引退後に種牡馬になった際の種付け料を見越して、出走自体を抑える傾向もあります。
戦績が悪いと種牡馬の種付け料が低下する恐れがあるので、負けないレースを選ぶということですね。
さらに、凱旋門賞や香港国際レースなどの選択肢が増えたことも原因の1つです。
輸送の制度が上がったことや輸送時間が短くなったことで、海外レースはもはや国内レースの延長くらいの位置付けに変化しています。
秋古馬三冠のレースとは
そもそも秋古馬三冠は、どんなレースの総称なのか知りたい。
そんな方のために、具体的に1つづつのレースを詳しく見ていきましょう!
天皇賞・秋
1つ目のレースは天皇賞・秋。
天皇賞・秋は10月に東京競馬場 芝2000mで行われ、中距離ナンバーワンを決めるレースです。
出走馬はスピ―ド自慢のマイル組と、スタミナを持つ長距離組が対決する構図が多いです。
また近年、2400mは長くて2000mあたりがベストの中距離が得意な馬も増加中で、天皇賞・秋の後、香港カップへ向かうケースも増えています。
これまでの有名なレースは、ウォッカとダイワスカーレットの2 cm差の名勝負や、キタサンブラックがワープしたことで有名な2017年のレースがあります。
ジャパンカップ
次は11月に開催されるジャパンカップ。
東京競馬場 芝2400m。
ジャパンカップという名前ではあるものの、近年は海外組の実力は乏しく、秋の国内2400m王者決定戦という立ち位置が正しいです。
東京競馬場 芝2400mは日本競馬の王道コースなので、実力馬が勝ちやすいレースです。
2020年にアーモンドアイなど三冠馬3頭集まった「世紀のレース」が有名ですね。
有馬記念
そして最後は12月の年末に中山競馬場 芝2500mで行われる有馬記念。
有馬記念はその年の競馬の総決算と言われ、有力馬がこぞって出走する伝統あるG1レースです。
ただトリッキーな中山競馬場を一周半するコースなので、たびたび穴馬が実力馬を負かすケースが見られます。
あのディープインパクトが、国内で唯一敗戦したのも有馬記念です。
年の瀬に開催されることから、引退レースとして有馬記念を選択する馬も多く、オグリキャップやオルフェーヴルはこの有馬記念で有終の美を飾っています。
破格。ボーナス2億円
先ほどお伝えしたとおり、秋古馬三冠をすべて制覇するとボーナスが設定されています。
その額はなんと2億円で、逆に言えばすべてを制覇することがそれだけ厳しい条件であると言えるでしょう。
ではなぜJRAは多額のボーナスを制定しまで実力馬の出走を促すのか。
それはレースの格式を守るためと競馬界を盛り上げるためです。
G1レースというのは、グレードが1番高いレースという意味ですが、もちろん名前や賞金が高いだけではその意味を成しません。
G1レースという名に似合った、一流の出走メンバーが必要です。
そこで、近年の海外レースの選択や出走レースを抑える傾向を打破したいJRAは、多額のボーナスを付与することで強い馬の出走を期待しているという訳です。
また強い競走馬が多数出走することは、競馬界さらに競馬以外の各方面にも影響を与えます。
その良い一例が、先ほどもご紹介した2020年ジャパンカップです。
このレースは三冠馬3頭が対決するレースになり競馬界隈を超えて各方面で大きな話題となりました。
近年このような実力馬同士の対決は減少傾向にあるので、JRAだけでなく競馬ファンからの願いをかなえるという意味もありますね!
秋古馬三冠を達成した2頭!テイエムオペラオー、ゼンノブロイとは?

秋古馬三冠の難しさはとてもよく分かったのですが、では実際に秋古馬三冠を全て制覇した馬はいるのか。
その答えは、テイエムオペラオーとゼンノブロイの2頭だけが達成しています。
秋古馬三冠以外にも多数のG1を勝ったテイエムオペラオーと秋古馬三冠のG1レースのみを勝ったゼンノブロイ。
対照的かつ歴史上に名を残す名馬2頭を、くわしくご紹介していきます!
「世紀末覇王」 テイエムオペラオー
まず秋古馬三冠を初めて達成した馬がテイエムオペラオーです。
テイエムオペラオーと言えば、年間無敗で終えたことで有名な名馬ですね。
テイエムオペラオーは1999年の皐月賞を優勝し、この年のJRA賞最優秀3歳牡馬を受賞します。
その翌2000年に本格的に強さを発揮し、この年は8戦8勝の無敗で芝の古馬中長距離G1完全制覇の偉業を成し遂げます。
その8勝の内容がG1を5勝、G2が3勝という内容ですので驚かされます。
このG1 5勝の中に秋古馬三冠も含まれており、その中でも印象的だったレースは有馬記念です。
この年のテイエムオペラオーは無敵でした。
無敵が故に、他の各馬はこぞってテイエムオペラオーを徹底マークします。
後に「テイエム包囲網」と呼ばれるほど、他馬からのけん制を受け続けたテイエムオペラオーは最後の直線に入っても馬群の中でした。
しかし、残り200mを切ったところで猛烈なラストスパートを見せ、見事に秋古馬三冠さらに古馬中長距離G1完全制覇を達成します。
テイエムオペラオーの生涯獲得賞金は18億を超え、当時の史上最高記録となりました。
また、テイエムオペラオーはエリートではなく1,050万円で購入された馬であったことからも注目されています。
秋古馬三冠のために生まれた馬 ゼンノロブロイ
つづいては、2004年に秋古馬三冠を達成したゼンノロブロイです。
ゼンノロブロイは、デビュー前から期待された馬だったのですが、3歳の段階ではG1での優勝はなく4歳の春、宝塚記念を終えた段階でも善戦するレ-スはあるもののG1タイトルはありませんでした。
しかし、休養を挟んで始動した秋から快進撃を見せることになります。
秋初戦の京都大賞典を2着の後、天皇賞・秋は不利な外枠、さらに出遅れがあったにも関わらず残り100mで先頭に立つとそのまま押し切り、初のG1タイトルを獲得。
続くジャパンカップは、2着コスモバルクに3馬身の差をつけ快勝します。
そして12月の有馬記念。
春の宝塚記念では負けていたタップダンスシチーをぴったりとマークし、直線の坂であっさり抜き去り優勝し2000年テイエムオペラオーに次ぐ史上2頭目の秋古馬王冠を達成します。
ゼンノロブロイが特徴的なのは、この年の秋古馬三冠以外での重賞勝ち星は3歳時のG2が2つだけという、秋古馬三冠に尋常な強さを見せた馬ということです。
秋古馬三冠だけじゃない?その他三冠レースの一覧もご紹介!

「秋古馬三冠のことを知って、他の三冠レースについても知りたくなったんだけど、他にどのような三冠レースがあるのかな?」
結論を先に言うと、競馬には1番有名な3歳クラシック三冠をはじめ、春古馬三冠春や夏の小倉競馬場で行われる3つの重賞の総称を小倉3冠(現在は廃止)と呼ぶものがあります。
また、地方競馬には各競馬場それぞれの三冠レースが多数、存在しています。
ここでは、クラシック三冠レースと2017年に新設された春古馬三冠について詳しくご紹介していきます!
牡馬・牝馬 クラシック三冠
競走馬を持つ馬主の全員が目指すと言われているのが、このクラシック三冠です。
クラシック三冠は牡馬、牝馬それぞれに制定されています。
また、3歳馬のみ出走する権利が与えられ、まさに一生に一度しかチャンスがありませんので、達成した三冠馬は競馬史上に名を残す偉大な名馬となります。
具体的には皐月賞、日本ダービー、菊花賞の牡馬クラシック三冠。
桜花賞、オークス、秋華賞(以前はエリザベス女王杯)の牝馬クラシック三冠があります。
それぞれ競馬場も距離も開催時期すべて違う3つのレースを全て優勝することは、ずば抜けた能力がないと達成できません。
実際に長い競馬の歴史の中で、牡馬三冠馬は8頭、牝馬は6頭だけしか存在していません。
ですので、競馬場やテレビなど、実際に3冠を達成をする瞬間を見れるだけでも、とても貴重な体験だと言えますね!
春古馬三冠
続いてにご紹介するのは、春古馬三冠です。
秋古馬三冠に対して、春に開催する古馬G1の3レースの総称を春古馬三冠と呼び、また同じ年に全て勝利した馬に対して春古馬三冠馬という称号を与えられます。
この制度の創設は比較的新しく2017年になります。
なぜ創設にいたったか。
それは、大阪杯(以前は産経大阪杯)のG1昇格によって、春の古馬G1レースが3レースになったことが要因です。
ボーナスは秋古馬三冠と同じ2億円。
対象の3レースは、最初に阪神競馬場で3月または4月に開催される大阪杯、芝2000m。続いて、京都競馬場で4月または5月に開催される芝3200mの天皇賞・春、最後に、6月に阪神競馬場 芝2200mで開催される宝塚記念になります。
今までに達成した馬はまだおらず、最も三冠に近かった馬は2017年のキタサンブラックです。
キタサンブラックはこの年の大阪杯、天皇賞・春を優勝して三冠に王手をかけましたが、宝塚記念で負けてしまい達成には至りませんでした。
まとめ

競馬の歴史はとても長く、JRAも設立されてから60年以上が経過しています。
その中で秋古馬三冠は、比較的新しい言葉です。
ただ、この秋古馬三冠も競馬が長年続いて行くと、歴史が深まり今よりもさらに重みが増す総称となっていきます。
その時には、先ほどご紹介した2頭の偉大さが、今よりもさらに理解されているはずです。
競馬は常に進化し、レースプログラムやルールが毎年改定されています。
レースの内容を知るということは、馬券を買う上で基本中の基本となりますので新しい情報はどんどん取り入れて馬券に活かしていきましょう!
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